近づくだけで照明が自動でつく「かってにスイッチ」はとても便利です。
ですが、センサーを適切な位置に設置しないと「ついてほしい時に、センサーが反応せずに照明が点かない」とか「逆に照明がついてほしくない時に、意図せずセンサーが反応し照明が点いてしまう」といった失敗をしてしまうことが多いです。
以下のような失敗例があります。
- 洗面所にあるかってにスイッチが反応して、リビングにいるのに洗面所の照明が点いてしまう。
- 部屋の扉を開けて過ごしている時、部屋の中を動くと廊下にあるセンサーに反応して、廊下の照明がいちいち明るくなりわずらわしい。
- 夜にトイレに行こうとして歩く際、歩くと先読みしたように照明が点くはずが、設置位置が適切でなかったために照明が意図したように点かない。
などなど、適切な位置に設置しないと、このような失敗をしてしまうこととなります。
しかも照明やスイッチの場所は後々直すことが困難ですので、よくよく検討することをオススメします。
「かってにスイッチのセンサー範囲を考えて設置場所を決める」ということはなかなか難しいんです。
なので家が建ってから、意図しない照明の点きかたに後悔してしまうかたが少なくありません。
わたしもセンサーの位置はとても気をつかい配置しました。実際に、かってにスイッチ(ほんのり点灯機能付き)を多く採用し意図したとおりの動作をしており、とても快適に過ごせています。
この記事では「具体的に、部屋や廊下のどこにセンサーを置いたら、意図しない動作をしないですむか」を紹介していきます。
ここでは「適切なセンサー設置位置」を紹介しますが「家全体で、どの部屋にかってにスイッチを設置するのがオススメか」を紹介した記事もありますので、よければご参照ください。
かってにスイッチ 失敗しない具体的な設置位置について
分かりやすく説明するため、まずはかってにスイッチの簡単な仕様を紹介します。
センサーの近くを人が通ると、体温と動きに反応し照明が点きます。設定した時間がたつと自動で消灯します。
検知範囲は扇形に3メートル。検知範囲を調整するための制限カバーがあり、例えば左側だけ範囲を狭くするといったことができます。垂直方向の範囲はあまり気にする必要ありません。小さな子供が通っても問題なく反応します。
ほんのり点灯機能ありのかってにスイッチは、トイレに設置することが前提のため、検知範囲が2メートルと少し狭いのが特徴です。また検知範囲を調整する制限カバーが付いていません。
以下で実際の図面と画像を参照しながら説明していきます。
わたしのうちでは玄関以外のかってにスイッチを、すべて「ほんのり点灯機能付き」にしています。なので以下の図の検知範囲は、ほんのり点灯機能付きの検知範囲になります。
「廊下に設置する場合」部屋の中にセンサー検知範囲を入れないこと
例として、廊下にかってにスイッチを配置し、夜にトイレに行くまでの道を明るくしたい場合。
夜間に右上の部屋からトイレに行く時を考えます。青矢印は部屋からトイレまでの経路です。
この場合は以下のように廊下に設置するのが適当です。
赤☆がかってにスイッチ設置位置。扇形の赤が検知範囲。黄色〇が照明。
こうすることで部屋から出るとセンサーに反応し、トイレまでの照明が自動で点灯するようになります。
次に、同じようにトイレに行くことを想定しての設置位置の「失敗例」をあげます。以下です。
廊下の反対側にセンサーがあるだけで、一見するとそんなに変わったようには見えませんね。
でも、この配置には問題があるんです。
緑の△が人。赤☆はかってにスイッチ設置位置。扇形の赤が検知範囲。
検知範囲が部屋の中にまで入ってしまっているので、扉を開けていると部屋の中にいる人に反応し、廊下の照明が点いてしまうのです。
これがとてもわずらわしいんですよね。
「照明がついてほしくない時に、意図せずセンサーが反応し照明が点いてしまう」という失敗例になります。
常日頃から部屋の扉は閉め切っていますか?少しでも開けっ放しにすることがあれば、センサーの位置をよく確認することをオススメします。
もしも「エアコン一台での全館冷房」を考えているならば、部屋の扉を常時開放することが基本になりますので、センサーの位置には気をつけてください。
わたしのうちでもエアコン一台全館冷房を実際にしています。興味があるかたは、こちらの記事も参照してみてください。
以上のように、廊下にかってにスイッチを設置する場合、意図しない照明の点灯を防ぐには、「部屋の中にセンサー検知範囲を入れないこと」が失敗しない方法となります。
参考に、わたしのうちの実際のセンサー設置位置を紹介します。
2階の間取り図です。廊下にかってにスイッチを2個・連動するダウンライトを2個ずつ設置しています。
居室・トイレ・洗面所・階段の生活動線を考えて、全ての動線をカバーできるセンサー設置位置にしてあります。
トイレが検知範囲に入っていますが、トイレの扉を開けっ放しにすることは、まずないですよね。ですので検知範囲に含めても問題ありません。
図面左上にある洗面所は開けっ放しにすることがあるため、洗面所の中に検知範囲が入らないようにセンサー位置を調整しています。
もしも洗面所の中にまで検知範囲が入ってしまうと、洗面所を開けた状態で何かしらの作業(洗濯物をたたむとか洗顔とか)をしている時に、いちいち廊下の照明が点いてわずらわしい思いをしてしまいます。
以下、廊下での実際の設置例です。
1階から2階に階段を上がると自動で廊下の照明がつきます。
部屋の扉を開けっ放しにしても、部屋の中から廊下のセンサーには反応しません。
左側の洗面所に行くだけなら、廊下の奥の照明は点きません。奥の部屋に行こうとすると明るくなるように設置してあります。
逆に部屋を出るときには、すぐに廊下の照明がつくような設置位置になっています。
2階のどこの部屋から出ても、廊下の照明が自動で点くようにセンサー検知範囲を設定しています。とても便利です。
「部屋の中に設置する場合」扉をセンサー検知範囲に入れないこと
今度は洗面所やウォークインクローゼットなどの、部屋の中にセンサーを設置する場合を例にあげて説明していきます。
まずは「失敗例」からです。
洗面所内にかってにスイッチを設置した場合。赤☆はかってにスイッチ設置位置。扇形の赤が検知範囲。黄色〇が照明。
洗面所に入ってすぐ左手にスイッチが設置してあります。一見すると洗面所に入ってすぐにスイッチがあるのは一般的な配置に思えますよね。
ですが、この配置には問題があるんです。
緑△が人。青↑が歩く経路。洗面所ではなく奥の部屋に行く場合。
洗面所の扉が開いている時、洗面所の前を通り過ぎるたびに、中の照明がムダに点いてしまうんです。
またこの配置だと、検知範囲がお風呂の扉に届いていないため、お風呂に入り浴室からあがった際に照明が点かないといった失敗もあります。
この検知範囲だと、浴室から出ても照明がつかず暗いままになってしまいます。
上記のような失敗をしないための配置は以下のようになります。
このように設置することで「洗面所に入ってくる人」と「浴室から出てくる人」には反応します。
あわせて「洗面所の前を通るだけの人」には反応しない、といったことが実現できます。
以上のように、部屋の中にかってにスイッチを設置する場合、意図しない照明の点灯を防ぐには、「扉をセンサー検知範囲に入れないこと」が失敗しない方法となります。
手動のスイッチとは違い、かってにスイッチの設置位置は工夫が必要なので少し変則的になります。
上の図では参考例にあげましたが、洗面所兼脱衣所にかってにスイッチを設置することはあまりオススメしません。
洗面所だけならオススメできるのですが、脱衣所も兼ねると注意が必要です。
実際のわたしのうちでは洗面所兼脱衣所では、手動のスイッチにしています。理由については以下の記事にて紹介していますので、よければ参考にしてみてください。
以下は実際の設置例です。リビング横にある1階洗面所のかってにスイッチです。
リビングにいるときに誤って洗面所の照明が点かないようにするため、洗面所の扉を検知範囲に入れないように、センサーを配置しています。
実際の図面上ではこんなかんじ。リビングに人がいても反応せず、かつトイレから人が出てきたら照明が点く位置に設置しています。
かってにスイッチの設置位置は、一般的な手動スイッチの設置位置と同様に考えてしまうと失敗してしまいます。
意図せず照明が点いてしまい日々の生活の中で、わずらわしい体験となってしまうのです。
繰り返しになりますが「部屋の中に、かってにスイッチを設置する場合、センサー検知範囲に部屋の扉を入れないこと」を確認してみてください。
かってにスイッチの種類による検知範囲の違いに注意
かってにスイッチはパナソニックの製品ですが、数種類のシリーズに分かれて販売されています。コスモシリーズワイド21やアドバンスシリーズなどです。
設計時に何も指定しなければコスモシリーズワイド21が採用されるようです。わたしのうちもこの製品でした。Panasonic公式 コスモシリーズワイド21紹介ページ
ほんのり点灯機能の無いかってにスイッチ。うちでは玄関のみに採用しています。
検知範囲は3メートルです。
ほんのり点灯機能付きのかってにスイッチ。トイレに取り付けることが前提のため(トイレ壁取付)と表記されています。
コスモシリーズワイド21では、この製品のみがほんのり点灯機能を搭載しています。うちではトイレ・洗面所・廊下に採用しています。
検知範囲は2メートルです。
アドバンスシリーズは少し値段が高いようです。採用すると追加費用がかかります。
検知範囲は3メートルです。
アドバンスシリーズ ほんのり点灯機能付き。
こちらも検知範囲は3メートルです。
上記製品について注意が必要なのは検知範囲の違いです。
コスモシリーズワイド21のほんのり点灯機能付きの製品のみが検知範囲が2メートルなんです。
あわせてこの製品だけが検知範囲をしぼるための制限カバーがついていません。
同じほんのり点灯機能付きでも、アドバンスシリーズのものは検知範囲が3メートルなので間違えないようにしてください。
このように製品による検知範囲の違いを考えた上で、センサー設置位置を検討してください。
設置位置を失敗しないためにも、どの製品が実際に採用されるのか、打ち合わせの段階で担当者に確認することをオススメします。
わたしのうちでは特にスイッチの種類指定をせず、コスモシリーズでした。
なので、ほんのり点灯機能付きは検知範囲2メートルです。これをトイレ・1階洗面所・2階廊下に設置しています。
ほんのり点灯機能のないかってにスイッチは玄関にのみ採用しました。
2メートルと3メートルで、体感かなり検知範囲に違いがあるので注意してください。
3メートルの検知範囲は広く、意図した動作にするには制御が難しい印象があります。検知範囲制限カバーで工夫する必要がでてくるかもです。
1階玄関に実際につけている、コスモシリーズのほんのり点灯機能が「無い」かってにスイッチ。検知範囲3メートルのもの。
検知範囲3メートルのかってにスイッチは、かなり遠くからでも反応します。
玄関への扉を開けていると、リビングの中にいても反応してしまうんです。玄関への扉を開けっ放しにすることは無いので良いのですが。
図面の1マスは91cm×91cmです。ですから3メートルの検知範囲はだいたい3マス半くらいの広さとなります。2メートルはだいたい2マス半くらいです。
設置位置のまとめ・注意点
「廊下にかってにスイッチを設置する場合」
部屋の中にセンサーの検知範囲を入れないこと。
部屋の中にいる人に反応して、ムダに廊下の照明が点く失敗につながります。
「部屋の中にかってにスイッチを設置する場合」
部屋の扉を検知範囲に入れないこと。
廊下を通る人に反応して、誰もいないのに部屋の照明が点く失敗につながります。
トイレや玄関など、開けっ放しにすることがない部屋では、扉を検知範囲に入れても問題ない。
かってにスイッチの製品によって検知範囲に違いがあるので注意。
検知範囲は設置位置から扇形に2~3メートルです。
「コスモシリーズワイド21の、ほんのり点灯機能付きのみが検知範囲が2メートル」になります。なおかつこの製品だけ検知範囲をしぼるための制限カバーがありません。
打ち合わせの際に照明器具をなにも指定しなければ、このコスモシリーズワイド21が採用されるようです。
ですので何も照明器具を指定しなければ、普通のかってにスイッチの検知範囲は3メートルです。ほんのり点灯機能付きは検知範囲が2メートルと考えればOKです。
以上、かってにスイッチの失敗しない設置位置について紹介しました。
みなさんの参考になれば幸いです!
家の間取りを考えているかたへ
いまの間取りで家を建てたら、本当に生活しやすいでしょうか?
その土地で可能な間取りはいくつもあり、色々な可能性があります。
家づくりでは、特に間取り決めは大変かもしれません。しかし間取りだけは家が建った後では変えられません。
「あの時もっと検討しておけばよかった…」と、ずっと後悔してしまうかもしれません。
今の数ヶ月、少しがんばるだけで、これからさき何十年も後悔がない家に住めると思えば。
大変だけど…せっかくの注文住宅だし、もう少し考えてみよう。
一人の設計士さんだけにまかせず、他の可能性も検討してみませんか?
自分達では考えつかなかった間取りが、まだあるかもしれません。
わたしは実際、限られた土地の中で自分達の理想の間取りを作るのに本当に悩みました。
担当の設計士さんと考える以外にも、ネット上の情報を見たりもしましたが、なかなかうまくいかず、どんどん時間だけが過ぎ、とてもたいへんな思いをしました。
自分達だけで悩まず、無料でできる間取り作成サービスをもっと早くしておけばよかった…と後悔しました。
色々な間取りのアイディアをもらえたことで、違う視点から物事を考えられたことが大きかったと思います。
結果、今とても満足のいく間取りの家に住めています。
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